TechCrunch Disrupt 2026:AIの「その先」に迫る

2026年9月28日、TechCrunch Disrupt 2026のAIステージにて、「What Anthropic Sees When Enterprises Actually Deploy Claude」と題されたセッションが開催されました。このセッションでは、AIデプロイメントの二つの側面が深く掘り下げられました。一つはAnthropicがエンタープライズの導入全体で観測するパターン、もう一つはGammaやClayといったAI製品を実際に構築し、ユーザーに利用されている創業者たちの実体験です。

AIが「使える」段階から「実際に使われる」段階へ移行する際の具体的な課題と成功要因について、活発な議論が交わされたとのことです。(出典)

AIデモはわずか5分で brilliantly に見えるかもしれませんが、顧客が製品を使い始めると、予期せぬワークフローに押し込まれ、信頼性が求められます。そして、それが十分な問題解決になるか、あるいは放棄されるAI実験になるかがすぐに判明します。

Anthropicが語る「成功する導入と停滞する導入」

Anthropicの応用AI責任者であるCat de Jong氏は、エンタープライズがClaudeを重要なワークフローに導入する過程で、直接企業と協力しています。彼女はDisruptで、どのような導入が成功し、どのような導入が停滞するのか、そして18ヶ月経ってもパイロット段階にとどまっている組織と実際に価値を引き出している組織を分けるものは何かについて言及しました。AIをエンタープライズに販売している企業にとって、これらのパターンは非常に重要だと感じます。

AIが実験段階から重要なワークフローへと移行する際に何が変化し、なぜ一部の組織だけが本番環境に到達できるのか、彼女の経験は示唆に富んでいます。(出典)

Gartnerの予測では、2028年までにエンタープライズの70%が、ベンダーによって構築されたエージェント型AIシステムを放棄する可能性があるとされており、その背景にはコスト上昇と外部の支援なしに技術を修正できないという課題があります。(出典)この予測は、今回の議論の重要性をさらに高めていると言えるでしょう。

ユーザーに「使われ続ける」AI製品の秘訣

Gammaの共同創業者兼CEOであるGrant Lee氏は、AI製品を構築し、人々に実際に使用してもらうことの難しさについて語りました。Gammaは、従来のプレゼンテーションソフトウェアの代替としてAI駆動型プラットフォームを成長させ、より広範なビジュアルコミュニケーションツールへと進化させています。

2026年3月のTechCrunchの報道によると、Gammaはマーケティングアセットやその他のビジュアルコンテンツにAIツールを拡張し、ユーザー数が1億人近くに達しているとのことです。(出典)

この驚異的な普及率から、Lee氏は以下の問いに対する有用な見解を持っています。

  • AI製品を顧客が繰り返し利用したくなるほど有用にするものは何か?
  • 人々が予期せぬ方法で使い始めたときに何が変化するのか?
  • 強力なAI機能を、人々が実際に抱える問題を解決する製品に変えるにはどうすればよいのか?

AI製品を開発することと、それを人々の働き方の一部にすることは全く異なる挑戦だと感じます。特に、予想外の使われ方に対応できる柔軟な設計は、今後のAIエージェント開発において不可欠となるのではないでしょうか。

ワークフローに組み込まれたAIエージェントの現実

Clayの共同創業者兼CEOであるKareem Amin氏は、企業が顧客を見つけ、リーチする方法にAIを組み込む創業者の視点を提供しました。Clayは、データを取り込み、エージェント型ワークフローを実行し、GTM(Go-to-Market)戦略を展開するためのインフラストラクチャを提供しています。

2026年1月には、AnthropicがClaudeインターフェース内でインタラクティブな職場ツールを導入した際、Clayがローンチアプリの一つとして統合されたと報じられており、Amin氏の視点は今回の議論に特に深い関連性を持っています。(出典)

側面 Anthropicの視点 Gamma/Clayの視点
焦点 エンタープライズ全体の導入パターン 実際にAI製品を開発し、ユーザーに使わせる経験
得られる知見 成功と停滞を分ける要因 顧客がAIを使い続ける理由、予期せぬ利用への対応

Amin氏の経験は、AIが真に有用な場所、既存のワークフローへの適合性、そして顧客がAIに依存し始めたときに何が起こるかという疑問に迫るものと言えるでしょう。これら三者の異なる視点から、AIが企業に導入される際の現実が鮮明に浮かび上がってきます。

エンジニア目線で見ると:導入後の継続的な改善が成功の鍵

今回の議論から、エンタープライズAIの導入において、デモの素晴らしさよりも「導入後の継続的な改善と適応」が重要であると強く感じます。特に、エージェント型AIは初期設定で高い効果を発揮するものの、顧客のワークフローが変化したり、予期せぬ利用が生まれたりした際に、ベンダーの支援なしに自社で柔軟に対応できるかどうかが問われるのではないでしょうか。

Gartnerが指摘する「forward-deployed engineering (FDE)」モデルの課題は、まさにこの点にあると感じます。高コストな外部専門家に依存し続けるのではなく、企業内のエンジニアがAIシステムの維持・開発に必要な知識とコントロールを獲得できるような導入アプローチが必須です。具体的には、初期導入時にシステムアーキテクチャの透明性を確保し、APIだけでなく、設定ファイルや学習データ管理のベストプラクティスを共有することで、後続の社内での変更コストを低減できると考えます。

Pythonバインディングや充実したドキュメントがあれば、自分のアプリに組み込んで試してみたいですね。うちのスクリプトにも使えそうな予感がします。Claude Codeに投げてみたら案外すぐ動きそうな気もしますね。