Framework LaptopがLPCAMM2メモリ価格を改定、差額返金を発表

米国のPCメーカーであるFrameworkは、2024年9月10日(火)に、同社の「Laptop 13 Pro」向けLPCAMM2メモリの価格を見直し、一部の顧客に対して返金を行うと発表しました(出典)。これは、LPCAMM2メモリの価格が以前予測をはるかに超えて高騰したことを受けた対応で、低コストで新たなメモリを確保できたことによるものです。

Frameworkは、高騰したLPCAMM2メモリの価格差額を、すでに購入済みの顧客にも返金すると発表しました。

Frameworkは今年7月、LPCAMM2サプライヤーからのコスト更新が予測を大幅に上回ったため、一部の64GB RAM注文を32GBに変更せざるを得ない状況に陥っていました。当時のFrameworkによると、LPCAMM2の価格は、予想されていたQ2からQ3にかけての「10%台後半から20%台前半の増加」をはるかに超え、以前の出荷コストの2倍以上に跳ね上がっていたとのことです。このため、同社はRAM容量の削減が「この課題による影響を最小限に抑える」ための判断だったと説明しています。

新たなメモリ確保と価格改定の詳細

今回、FrameworkはMicron製の32GBおよび64GB LPCAMM2メモリモジュールを「限定的な数量」で、かつ「低コスト」で入手できたことを明らかにしました。これにより、新たなプリオーダーの価格設定を旧価格よりも引き下げることが可能になったと説明しています(出典)。

項目 以前の状況(7月) 現在の状況(9月)
LPCAMM2メモリ価格 予測の2倍以上に高騰 低コストで限定数量確保
64GB RAM注文 32GBに削減を余儀なくされる 新価格で提供可能
顧客対応 高値での購入 差額返金、または低価格での新規購入・変更

この決定は、すでに製品が出荷された顧客と、現在保留中のプリオーダーの一部に適用されます。具体的には、メモリ価格が高騰していた時期にFramework Laptopを購入した顧客は、7月以降の価格差額について返金を受けられることになります。また、メモリ価格が高かった時期に注文したものの、まだ製品を受け取っていない顧客は、注文価格が自動的に引き下げられ、さらに新価格でより多くのメモリを選択するよう注文を編集することも可能です。

個人的には、こういった形でユーザーに還元してくれるのは非常に好感が持てます。自分の個人プロダクトでも、もし部品価格の変動が激しい場合、このFrameworkの対応を参考にしたいと感じました。

他社動向とメモリ市場の背景

メモリコストの増加に直面し、それを吸収する動きを見せているのはFrameworkだけではありません。ストレージベンダーのEverpure(旧Pure Storage)も、SSD価格高騰前に提示した価格を尊重すると約束しています。また、HPEも、メモリコストの変動にもかかわらず、見積もり発行日からハードウェア出荷日まで見積もり価格を尊重すると表明しています(出典)。

これらの企業がコストを吸収する背景には、MicronやSK Hynixといった主要メモリメーカーが、長期的な購入契約を結ぶことで、大規模な価格変動への露出を減らす長期契約を提供していることが挙げられます。メモリメーカーの利益率は現在非常に高いため、このような取引によって最大利益を逃すことがあっても、十分に存続可能であると考えられます。もしHPEやEverpureがそのような契約を結んでいれば、将来のコストを見通しやすくなり、長期購入のコミットメントに対する割引も得られる可能性があります。

一方で、Appleのように製品価格を引き上げている企業もあります。直近の四半期で300億ドルの利益を上げたAppleは、iPhoneの価格を100ドル引き上げたと報じられています(出典)。この辺りの対応の違いは、企業のビジネスモデルやサプライチェーン戦略によって大きく異なる部分だと感じますね。

LPCAMM2と将来のラップトップメモリ

LPCAMM2は、SO-DIMMに代わる次世代のラップトップメモリ規格として注目されています。SO-DIMMに比べて省スペースで低消費電力、かつ高い帯域幅を実現できるため、薄型・軽量で高性能なラップトップの実現に貢献すると期待されています。今回FrameworkがLPCAMM2を積極的に採用し、その価格変動に柔軟に対応していることは、同社の技術選定における先進性と、顧客への誠実な姿勢を示していると言えるでしょう。

LPCAMM2は、SO-DIMMに代わる次世代のラップトップメモリ規格として、省スペース・低消費電力・高帯域幅といったメリットを持ちます。

自宅の自作PCでもメモリ価格の動向は常にチェックしているのですが、LPCAMM2はまだ主流ではないものの、将来的には自作PC市場にも影響を与えるかもしれません。特に、ローカルLLMを動かす上でメモリ容量と速度は非常に重要なので、この新しい規格の進化には引き続き注目していきたいです。

Framework Laptopは、その高い修理性とモジュール性で知られています。メモリもユーザー自身で交換可能な設計になっているため、今回の価格改定と返金は、今後のメモリ増設や交換を検討しているユーザーにとっても朗報と言えるでしょう。このような顧客志向の取り組みは、ブランドロイヤルティを高める上で非常に効果的だと感じます。

まとめ

Frameworkの今回の決定は、部品コストの急激な変動に直面しながらも、顧客への誠実な対応を優先した好例と言えます。特に、すでに高値で購入してしまった顧客にも返金という形で還元するのは、なかなかできることではありません。このような企業姿勢は、技術系スタートアップにとって非常に重要であり、今後のPC業界における新たなスタンダードを築く可能性も秘めていると感じます。