Appleが外部課金リンク手数料の新案を提出—その詳細とは?

Appleは2026年8月13日、米国の地方裁判所に対し、App Store外の購入オプションへ誘導するリンクからの売上に対する新たな手数料案を提出しました。これは、Epic Gamesとの訴訟に端を発した法廷命令に基づくもので、Appleの知的財産権に対する「合理的な」報酬を定義しようとするものです。

Appleは、標準アプリで15%、年間収益100万ドル以下のアプリが対象となる中小企業プログラム参加アプリで5%の手数料を提案しています。

具体的には、アプリ内からウェブサイトへのリンクをタップし、そこで購入が完了した場合に、この手数料が課される仕組みです。例えば、Spotifyアプリ内でサブスクリプション購入リンクをクリックしてSpotifyのウェブサイトで購入した場合、SpotifyはAppleに15%の手数料を支払うことになります。Appleは、この手数料が専門家の分析に基づいて算出されたものであり、GoogleがEpic Gamesとの訴訟で課しているリンクアウト料金よりも低いと主張しています。

Appleの提案する手数料は、以下の通りです。

アプリの種類 現在のApp Store手数料 提案される外部リンク手数料
標準アプリ 30% 15%
特定パートナープログラム (News, Video, Mini Apps) およびサブスクリプション更新 15% 10%
中小企業プログラム参加アプリ (年間収益100万ドル以下) 15% 5%

個人的には、この手数料率はAppleが主張する「知的財産権への報酬」という観点から見ると、ある程度の妥当性があるように感じます。特に中小企業向けの5%は、小規模な開発者にとっては負担が軽減される選択肢となり得るのではないでしょうか。

過去の経緯:Epic Gamesとの長きにわたる法廷闘争

この手数料問題は、2021年にEpic Gamesとの訴訟において、AppleがApp Storeの規則を変更し、開発者がApp Store外の購入オプションへリンクすることを許可するよう命じられたことに遡ります(出典)。その後、Appleは当初、サードパーティの決済手数料を考慮すると実質的に従来のApp Store手数料とほぼ同等の12〜27%の手数料を課していました。

これに対しEpic Gamesは反発し、裁判所はAppleを法廷侮辱罪と認定。2025年4月には、Appleがリンクからの手数料を一切徴収することを禁じました(出典)。

Appleは控訴審でこの侮辱罪の認定を支持されましたが、同時に「知的財産権に対する補償を受ける権利がある」と判断され、適切な手数料を決定するために地方裁判所へ差し戻されました。

この複雑な経緯を経て、今回の提案に至ったわけです。Appleは最高裁判所に上訴を試みましたが、手数料算定手続きの一時停止は認められませんでした(出典)。

まさに泥沼の戦いといった印象を受けますね。開発者としては、この不安定な状況が早く落ち着くことを願うばかりです。

提訴された手数料案に対する Epic Games の反応

当然ながら、Epic Games はこの Apple の提案に対して即座に反発しています。AppleInsiderの報道によれば、Epic Games は0%を超えるいかなる手数料にも控訴する構えを見せています(出典)。

これは「知的財産権への補償」という Apple の主張と、「App Storeのエコシステムを無料で利用すべきではない」という Epic Games の主張の根本的な対立が浮き彫りになっています。今後、地方裁判所がこの提案をどのように評価するのか、そして両者の交渉がどう進むのか、非常に注目されるところです。

私の個人的な意見としては、両者が完全に歩み寄るのは難しいかもしれませんが、何らかの形で開発者にとって予測可能なルールが確立されることが最善だと考えます。そうでなければ、個人プロダクトを開発しているような私たちのようなエンジニアは、App Storeの収益モデルを設計する際に常に不確実性と向き合うことになってしまいます。

開発者への影響と今後の展望

今回の手数料案が最終的に承認されるか否かはまだ不明ですが、もし承認されれば、アプリ開発者はApp Store外の決済手段を活用しつつ、Appleへの一定の手数料を考慮する必要が出てきます。特に、サブスクリプションサービスやデジタルコンテンツを提供するアプリにとっては、収益構造に直接影響を与えるでしょう。自社ウェブサイトでの販売とApp Store経由での販売のバランスを再考する必要があるかもしれません。

私は普段、個人プロダクトでPythonとTypeScriptを使ってAPI連携などを実装していますが、決済の部分でこのような法的な不確実性が常にあると、システム設計にも影響が出ます。例えば、どの決済プロバイダを使うか、どのプラットフォームで販売を主軸にするか、といった判断は大きく変わってきます。CodexなどのAIコーディングツールを活用して迅速にプロトタイプを開発するとしても、根本的な収益モデルが不透明では踏み出しにくい面もあります。

この動向は、自身の個人プロダクトの収益化戦略にも直結するため、非常に注視しています。特に、今後の最高裁判所の判断や、両者による和解交渉の可能性も示唆されており(出典)、予断を許さない状況が続きそうです。開発者としては、最新の情報を常に追いかけ、柔軟に対応していく姿勢が求められるでしょう。