Apple Q3 2026決算の概要と市場の反応

2026年7月30日、Appleは市場閉鎖後に2026年会計年度第3四半期の決算を発表しました。発表された売上高は1,094億ドルで前年同期比16%増、純利益は298億ドルで同27%増と、一見すると堅調な成長を示しています(出典)。ティム・クックCEOが退任前最後の決算発表となる中で、これまでの好調な業績を締めくくるかたちでした(出典)。

しかし、この好調な数字にもかかわらず、市場は冷ややかな反応を示し、株価は発表直後の時間外取引で約3%下落し、その後も下落が続き、翌日の取引開始時には約10%もの大幅な下落となりました。これは2024年8月以来の大きな下落幅とのことです(出典)。

今回の決算は、数字だけ見れば好調にもかかわらず、将来への懸念から市場が大きく反応した非常に示唆に富む事例だと感じます。

株価下落の主要因:サプライチェーンとサービス成長の懸念

株価が下落した主な要因は、決算報告書とそれに続くカンファレンスコールで示された今後の見通しに対する懸念です。特に以下の2点が大きな逆風となりました。

  • サービス成長の鈍化: モバイルゲームの不振や、いくつかの市場におけるApp Storeのビジネスモデル変更が影響し、Appleのサービス部門の成長が鈍化していると報じられています。
  • サプライチェーンの制約悪化: Appleは、9月期にサプライチェーンの制約が著しく悪化すると警告しました。CFOのKevan Parekh氏は、この影響が6月期から「大幅に増加する」と述べており、iPhone、iPad、Macの供給に影響が出ると予測されています(出典)。

サプライチェーン問題は個人的な開発環境にも直結しますから、新型Macの入手性や価格にも影響する可能性があり、その動向は気になるところです。

時価総額と競合他社との比較

今回の株価下落により、Appleの時価総額から約4,300億ドルが失われました。数日前には一時的に時価総額5兆ドルを超え、Nvidiaを抜いて世界で最も価値のある企業となっていましたが、今回の下落で再びNvidiaにその座を明け渡す形となっています(出典)。

項目 決算発表前(ピーク時) 決算発表後(一時下落時)
時価総額 5兆ドル超(一時的) 4.57兆ドル前後(推定)
順位 世界1位(Nvidiaを上回る) 世界2位(Nvidiaに次ぐ)

NvidiaはAI需要の恩恵を大きく受けており、GPUをはじめとするハードウェア需要は今後も堅調に推移する可能性が高いと感じます。AppleとNvidiaの時価総額の逆転は、現在のIT業界の主要なトレンドがAI・半導体にシフトしていることを象徴しているようにも見えます。

ティム・クックCEOからジョン・ターナス氏への交代

今回の決算発表は、ティム・クックCEOにとって最後の決算コールとなりました。彼は9月1日をもってCEOの職を退き、ジョン・ターナス氏が新CEOに就任することが発表されています(出典)。クック氏はターナス氏への移行が「シームレスに進んでいる」と述べており、ターナス氏がAppleの次の時代を牽引することに期待を寄せています。

しかし、今回の株価下落は、ターナス新CEOの就任を「予想よりも順風満帆ではない」ものにする可能性も指摘されています(出典)。新しいリーダーシップの下で、Appleがこれらの課題にどう対応していくのか、非常に注目される点です。