予告なしの半減——気づいたのはインスタンス停止で
2026年6月15日、OracleはAlways Free枠のAmpere A1コンピュート割り当てを次の通り変更しました。(出典)
| 項目 | 変更前 | 変更後 |
|---|---|---|
| OCPU | 4 | 2 |
| メモリ | 24 GB | 12 GB |
| 月間OCPU時間 | 3,000時間 | 1,500時間 |
| 月間GB時間 | 18,000時間 | 9,000時間 |
ブログ投稿・メール通知・公式発表のいずれもなく、ドキュメントが静かに書き換えられただけでした。利用者はインスタンスが強制停止されたり、コミュニティが気づいてサイトの数値変更を報告したりして、初めて変更を知ったといいます。
PAYGアカウントは対象外?——公式ドキュメントとサポートの食い違い
6月22日になり、状況はさらに複雑になります。複数の利用者が、Oracleの人間のサポート担当者(チャットボットではなく)からメールで「新しい上限は無料専用アカウントのみに適用され、従量課金(PAYG)アカウントは引き続き4 OCPU・24GBを無料で使える」という説明を受けたと報告しました。しかし公式ドキュメントはアカウント種別を区別しておらず、あるReddit利用者は次のように矛盾を指摘しています。
Oracleの公式ドキュメントには『すべてのテナンシーは月間最初の1,500 OCPU時間・9,000 GB時間まで無料』と書かれている。もしPAYGアカウントが本当に影響を受けないなら、この『すべてのテナンシー』という表現は極めて誤解を招く。
さらに別の利用者は、次のような注意書きも指摘しています。
本当の罠はここだ——『既存リソースが終了した場合、更新後のAlways Free上限を超えるリソースを再作成できない可能性がある』。メンテナンスや障害、操作ミスなどでインスタンスが一度でも終了すれば、誰も元の4/24構成に戻せる保証はない。
つまり旧構成のまま使い続けられている利用者も、何らかの理由でインスタンスが終了した瞬間、新しい2 OCPU・12GBの上限に恒久的に縛られるリスクを抱えています。
普段GCPを中心に使いつつ複数のクラウドのコストを比較検討している身としては、この「サポートに問い合わせないと本当の適用条件が分からない」という状態は正直かなり気になります。無料枠を前提に構成を組む際は、公式ドキュメントの記載だけを鵜呑みにしないほうがよさそうです。
「変更自体」ではなく「伝え方」が問題
記事は、無料枠を縮小すること自体は正当なビジネス判断であり、AWSも前年に新しい無料プランを導入するなど、クラウド各社が無料提供内容を見直すこと自体は珍しくないと指摘しています。問題は、ブログ投稿もメール通知もなく、アカウント種別ごとの影響を明確にしたドキュメント更新もないまま変更されたという「伝え方」だとしています。
記事が挙げる実務上の対応は次の3点です。
- 自分のテナンシー内のAmpere A1使用量が、合計で2 OCPU・12GB以内に収まっているか確認する
- PAYGアカウントの場合は、Oracleサポートに直接問い合わせて自分のアカウントに適用される上限を確認し、その回答を保存しておく
- 既存インスタンスがメンテナンス・障害・操作ミス等で終了しても復元できない可能性を踏まえ、重要な用途を無料枠だけに依存させない